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歯全体を覆うように修復する場合の修復材料について

 虫歯が広い範囲の歯面に広がっている場合、あるいは歯の神経(歯髄)を抜いて将来的に強度の低下が予想される場合は歯全体を覆う冠の形で修復を行います。現在当院で行っている冠形態の修復は6種類ありますがそれぞれの特徴をまとめると下表のようになります。

歯冠修復物一覧表

 修復物  画像  構造  特徴  適用部位  保険・保険外
 レジン冠  硬質レジン前装冠  前歯で金属冠の前面にプラスチックを白く貼り付けたもの 1  白いが自然な透明感にややかける場合がある
2 裏の金属の部分は咬み合わせに対し十分な強度があるが、プラスチックの部分は弱く破折や剥離あるいは摩耗が生じる場合がある
3  経年変化で変色が生じる
 前歯  保険 
 レジンジャケット冠  硬質レジンジャケット冠  目に触れる部分の奥歯をプラスチックで全体を白く覆ったもの 1 色は白いが自然な透明感にはややかける
2 プラスチックのため強度的に弱く破折や剥離あるいは摩耗が生じる場合が多い
4 経年変化で変色が生じる
 小臼歯   保険
 銀合金冠
 金銀パラジウム合金冠  歯全体を銀合金で覆ったもの(銀合金冠)
1 強度に優れ壊れにくい
2 色は銀色
3 化学的安定性が幾分劣るため変色や金属臭が生じることがある
4 適合精度がやや劣るため、境界部から二次カリエスや歯周炎が生じる場合がある
5 歯質に較べ硬いため、咬みあっている歯に負担をかけ歯槽膿漏が進むことがある
 小臼歯・大臼歯   保険
 白金加金冠・
白金加金前装冠
 白金加金冠  歯全体を金と白金を主体とした合金で覆ったもの(白金加金冠)・
目に触れやすい外側を高強度の樹脂で白くし他面を金と白金の合金で覆ったもの(白金加金前装冠)
1 適合精度が高く、境界部の不適合に由来する二次カリエスや歯周炎が発生しにくい
2 色はホワイトゴールド色で口腔内で明るく上品な印象をあたえる
3 化学的に安定している
4 材料精度に見合った高規格の型取りや技工材料の使用、技工操作が行われる
5 奥歯に対する理想的な理工学的性質を追求した結果開発されたもので、臨床応用されてからの期間も長く高い信頼性がある
 小臼歯・大臼歯 保険外
(120000円+消費税)
 
  メタルボンド冠  メタルボンド冠  セラミックを高温で金属冠に焼き付けたもの  1 色、光沢、透明感が自然で本来の歯に近い色調が再現できる
2  一般的には丈夫で壊れにくいが, 衝撃的な力が加わるとセラミックの部分が破折することがある
3  磨耗しにくく、かみ合わせの面も含めて白く覆うことができる
4  変色することはない
5  材料精度に見合った高規格の型取りや技工材料の使用、技工操作が行われる
6 歯茎との境部分はセラミックがうすく、年数を経て歯肉が下がった場合、金属色や歯肉に金属の暗い影が出る場合がある。
  前歯・小臼歯・大臼歯  保険外
(120000円+消費税)
 オールセラミック冠  オールセラミック冠  白色のジルコニア冠にセラミックを高温で焼き付けたもの 1 色、光沢、透明感が自然で本来の歯に近い色調が再現できる。特に透明感はすべての部分で十分な深みが確保できるため、より自然の歯に近い印象が得られる
2 一般的には丈夫で壊れにくいが, 衝撃的な力が加わるとセラミックの部分が破折することがある
3 磨耗しにくく、かみ合わせの面も含めてすべての面を白く覆うことができる
4 変色することはない
5 材料精度に見合った高規格の型取りや技工材料の使用、技工操作が行われる
6 歯茎との境部分には金属がないため、年数を経て歯肉が下がっても金属色や金属の暗い影が出ることはない
8 ジルコニア冠は元となるジルコニアのブロックから機械で削りだして作製する関係上、現在の所4歯を超える大きいブリッジは作ることができない 
 前歯・小臼歯・大臼歯  保険外
(130000円+消費税)

 なお奥歯で健全な歯質が残っている場合、全部被せずあえて金属と歯の境界線を歯ぐきの上に設定する場合があります。これは虫歯に対する抵抗力のある最表層のエナメル質を残し、冠の一番弱い辺縁部分を清掃のしやすい位置に持ってい行くことにより、再び周辺から虫歯が出るリスクを少なくするためです。またたとえ虫歯が発生しても初期に見つけやすいというメリットもあります。一方歯周病の観点からも冠の辺縁は歯垢(プラーク)の貯留ポイントでこれを歯肉から離すことにより直接歯垢の悪い影響が歯肉に及ぶのを防ぐというメリットもあります。もちろん冠の高径が少なくなった分だけはずれやすくなる訳ですからそれに対する配慮も十分に行う事が前提となります。