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意図的再植術(再植)

 歯をいったん抜いて根の先にある病巣を摘出し更に病巣に接して汚染している根の表面を一層郭清し内部を密封した後再びもとに歯を戻し生着させる方法です。その歯根端切除手術に対するメリットはいくつかありますがまず第一に周囲の健全な骨を不必要に削除する必要がないことです。歯根端切除手術の場合病巣にアクセスするため表層の骨を削除し窓を開けますが、病巣が骨の深部に存在する場合それに応じて除去する骨の量も増え術後の腫れなども強く出る場合があります。
 第二に歯根を完全に取り出して明視下で汚染を除去するため歯根端切除手術のように出血で視野を妨げられたり歯根の裏側で器具の操作が制限される事もないため、病巣の取り残しが生ずる危険性がより少なくて済みます。またなかなかばい菌が切れない病巣の場合しばしば見られる根尖性のひび(根の先端を起点に生じる根のひび)を見逃す危険性もより少なくて済みます。
 第三に歯根端切除手術の場合文字通り病巣に含まれる歯根部分は切除するため、たとえ手術が成功して周囲に健全な骨ができてもそれに支えられる歯根の有効長は短くなります。これに対し再植では歯根の長さは殆ど短くならないためより短い歯根の場合でも手術が可能になります。
 第四に視野や器具の操作が制限される奥歯でも歯根端切除手術に較べ比較的やりやすいという面があります。
 このように意図的再植術は歯根端切除手術に対し様々な長所を持ちますが一方、一度抜いた歯を元に戻すという術式そのものが持つ難しさもあります。それは元に戻した根が正常に生着するためには「歯根膜」という根の表面にある一層の組織が健全である必要があるからです。そのため大きく曲がった根やひょうたん型の根で抜歯の際歯根膜が大きく傷つく危険性が大きい場合や元々正常な歯根膜が欠落し歯と骨が直接癒着している場合などは正常な歯の生着が行われない場合があります。また難治性の病巣を持った根の場合元々根にひびが潜在している事も多いため抜歯に際しわずかに力を加えただけで簡単に根が割れてしまう事もあります。根が長い場合も基本的には歯根端切除手術がファーストチョイスとなります。

意図的再植術説明図