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小田急線藤沢本町駅前

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インプラント治療に際し起こりうる不快事項

 チタンあるいはその合金による歯根型インプラントの近年の進歩は著しく、従来のブリッジや義歯による補綴(喪失した歯を補う治療)に比べて残存歯に対する負担や装着時の異物感が少ない点等が評価され広く行われるようになっております。しかしその一方でインプラント治療に伴なうトラブルも軽微なものから深刻なものまでさまざま報告されており、以下にその主なものを(A)手術前後の時期(B)その後の経過時の二つの局面に分けてご紹介します。治療に際してはインプラントのこのような面も十分考慮しておく必要があります。

(A)手術前後の時期

  不快事項  説明
 1  内出血斑  手術に伴う内出血で口腔周囲の皮膚の表面に黄色い斑点が生じ、薄くなりながらではありますが3−4週間ほど持続する場合があります。
 2  出血  血管の走行は厳密には個人により異なっており事前に予測できない場合があります。このような場合も含め太目の動脈が傷つくと術中強い出血が生じ、その止血処置のため埋入手術を中止せざるをえなくなることがあります。
 3  神経損傷  下顎骨の内部には周囲の組織の感覚を司る神経が走行しており手術行為でこれを損傷すると感覚麻痺あるいは違和感が長期間にわたり続く事があります。
 4  上顎洞・周囲組織への感染  インプラントの埋入処置がきっかけとなり上顎洞(上顎骨内の空洞)へ感染が起きる場合があります。同様に上、下顎骨へ感染が生じ急性あるいは慢性の顎骨炎に移行する場合があります。
 5  上顎洞へのインプラントの迷入  インプラントの埋入操作中あるいは手術後、インプラントが上顎洞へ迷入しこれを取り出すための処置が必要になる場合があります。
 6  インプラントと骨の結合不足  通常2−6か月でインプラントは骨と結合しますが何らかの原因でこの結合が生じないあるいは結合が弱い場合があります。又、一度生じた骨との結合が早期に失われる事もあります。その場合はしっかりとした結合が生じるまで待ったり、場合によってはインプラントの再埋入を行う必要があります。このような現象は特に喫煙される方に現れる傾向があります。

(B)その後の経過時
   不快事項 説明 
 1  ネジのゆるみ・破損  インプラントと上部の構造物との結合にネジが使われている場合、このネジが長い間に噛み合わせの力などでゆるんだり破損したりする場合があります。
 2  冠の破損・脱落  インプラント上の冠が繰り返される咀嚼力等で破損したり脱落したりする場合があります。
 3  インプラントの破損  繰り返される咬合力によりインプラント体に金属疲労が生じ、インプラントが折れたり破損したりする場合があります。
 4  インプラントと骨の結合喪失  一度獲得したインプラントと骨の結合が過大な力が持続的に加わわったり、骨粗鬆症の傾向が強まったりして徐々に壊れ、インプラントの動揺・脱落が生じる場合があります。
 5  インプラント周囲炎  インプラントにも天然歯と同様、細菌の感染が原因で歯周病と同様の病変が生じる場合があります。長期の経過をたどり最終的にはインプラント周囲の骨の吸収とインプラントの脱落にいたります。